事業への共感は、エンジニアの面接で加点ポイントにすべきか

SOELU株式会社というスタートアップでCTOをしている id:p__oka といいます。 オンラインフィットネスサービス『SOELU』を開発しています。


私たちがエンジニアを採用する目的は、以下の事柄に集約されます。

  • いまいるメンバーでは解決できない仕事を担ってもらうこと
  • 自分たちの仕事を楽にすること

この目的を果たすために、面接では以下のことを確認しています。

  • 特定の仕事に関して、いまいるどのメンバーより上手くやれること
  • 過度なマネジメントが必要な手間のかかる人格を持たないこと
  • 業務の中で内省を繰り返しながら自己研鑽ができること

上記目的を達成する上で、私は「事業やビジョンへの共感を加点ポイントにしない」と決めています。 このことについて、詳しく説明してみます。

社員の事業共感やビジョン共感を大事にする会社は、その前提に「事業に共感する人は、仕事を自分事として捉え、モチベーション高く働いてくれる」という考え方を持っているのではないでしょうか。 しかし、私の経験においては、サービス共感が高い無能な人もいれば、サービス共感の低い有能な人もいました。 いままで見てきた人の特徴を上げてみます。

  • サービス共感は強いけれど、開発スケジュールに無頓着な人
  • サービス共感は低いけれど、仕事に対する責任感が強い人
  • サービス共感が強いあまり現実と理想の狭間で思い悩んでしまう人

経験上、共感の強さとパフォーマンスの高さに強い相関は見られませんでした。 (ちなみに「サービス共感が強いあまり現実と理想の狭間で思い悩んでしまう人」は私自身が過去にローパフォーマーだったときの特徴です)

思うに、ことエンジニアの働くモチベーションとしては、「事業への共感」よりも優位にくる要素がたくさんある気がします。例を挙げるとすれば、以下のような要素でしょうか。

  • 開発プロセスそのものを楽しめる環境であること
  • 優秀な同僚と働けること
  • HRT原則がチームに浸透していること
  • 事業に関する決定に妥当性を感じられること

そんなわけで、私はエンジニアの採用面接において、「事業への共感」を加点ポイントにしないと決めています。


しかし、「事業やビジョンへの共感」は、求職者が会社を選ぶための軸としてはとても重要だと考えています。 事業の魅力を知ってもらうための採用広報はとても重要だと思いますし、事業に共感してSOELUの選考を受けていただくのは大歓迎です。


賛否両論ある内容かと思いますが、なにかの参考になったら幸いです。 エンジニア絶賛募集中ですので、転職をご検討されている方や事業に興味がある方は、Wantedlyなどでお気軽にご連絡ください。